いずれも「これが手に入るのは、世界中を探してもインドの一部とティラキタだけではないか?」と感じる香り。チャンパカを除き、香りというより煙に近い。これが良い。
他店で手に入るインド香は、最近ずいぶん洗練されてきた。香りやパッケージがシャープになってきた上、お香本体にはマシンで自動的に作られた整然感もある。
一方、この品の香りは上述のとおりで、手で練って作られた天然感がある。「お香はルームフレグランスやアロマなどではない。インドの田舎の庶民ママ達からの、海を越えた柔らかな愛撫だ」と感じる人の、最近のインド香への嘆きを拭い去ってくれる。
この品は、インドを連日歩いて見つけ、現地の言葉で交渉して仕入れてくださったのではないか。この店の、他店と違うお香ラインナップを見ていると、インドの光があまり当たらない部分と、そこでしか生産されない素朴なお香が欲しいコレクターを、どれほど熱烈に引き合わせてくださっているかがわかる。
私のお香コレクションは、毎日豪快に焚きまくっても、生きているうちになくなる量ではない。それでもまだ欲しいと思うのは、品を集めたいというより、この店の献身的インド愛と計算しつくされた顧客愛に心動かされているからと感じる。愛の珍香をありがとう。
画像は、このセット内に入っていたレモングラス。