アフリカの民族楽器 カリンバの楽しみ方
大きなアフリカに、小さなカリンバ。
数あるアフリカ楽器の中でも、控え目な楽器という印象ですが、存在感のあるカリンバ。
小さくて斬新なシルエットに引かれて、楽器屋や雑貨店で一度は手にしたことがある人もいるんじゃないでしょうか?
ポロポロン~と弾く、あの楽器です。
カリンバ(Kalimba/Calimba)
カリンバは木製の箱形の上に細い金属棒が並んでいて、これを親指で弾いて音を鳴らす
アフリカの民族楽器です。
親指ピアノ(thumb piano)、ハンドオルゴールなどの名称があります。
オルゴールのルーツとも言われています。
楽器の分類上の名称は、ラメラフォーンです。
現地でのカリンバの呼び名は、
中央アフリカ、コンゴでは
サンザ。
ジンバブエでは
ムビラ。
タンザニアでは
カリンバ。
そのほか、リンバ、デングー、リケンべ、マリンバなど地域によって異なります。
カリンバの音色

カリンバの音色の特徴は、
余韻の音です。指で弾いた音が共鳴して響く、あの感じです。
余韻とは、「音源が発音を停止した後も音が響いて聴こえる現象」ですが、こういった現象の音を
サワリと言って、尺八や三味線のサワリ音や、インドでは
ジャワリと言って、シタールの響きにも現れる音色です。
弦楽器や打楽器で演奏するときに、この余韻であるサワリの長さ、響きがうまくいくと、
心地よい装飾音として耳に伝わってきます。
カリンバは、余韻音だったり、音はそこに無いのだけれど、音を思い出したり想像したり、そんな音の幅を感じさせてくれる楽器です。
カリンバの音は小さいけれど、
たくさんの音色を持っています。
このサワリ、西洋人にとっては雑音に感じ、インドやアフリカでは、豊かな音色に感じると言われたりします。
余韻を楽しむ、とは良く言いますが、これってパーソナルなものですから、演奏するにも、それを聞くにも、余韻音であるサワリというのは、大きな振り幅のあるテクニックなんですね。
アフリカリズム

アフリカのリズムは、ズレているんだけどハモってる感じが魅力的ですね。
演奏の合間々には、合いの手のような掛け声が入ったり、ウチャウジャと話し声のような歌声が入ってきたり、かなりランダムな演奏もあります。
ぎこちない演奏がかえってカッコ良く、彼ら独特の土着音楽のリズムは、引き込まれるものがあります。
アフリカの音楽に良くある斬新なリズムは、
ポリリズムといって、これは拍の一致しないリズムが同時に聞こえる演奏方法です。
複数の拍子が同時に聞こえながら、一定の規則性もあるというテクニック、さらに生まれ持ってのズレのリズムが噛み合って、独特の音楽が生まれます。
カリンバを弾いてみる

最初からチューニングされていて、簡単に演奏が始められるカリンバもあります。
適当に弾いてもそれなりに、アフリカっぽい音が響いて、それだけでも楽しめる楽器です。
まずはチューニング方法やメロディなどは、気にせずに
打楽器感覚で音を鳴らしてみましょう。
ひとつづつ、音を鳴らしてみたり、ふたつの音を同時にを鳴らしてみたり、ひとつの音を長~く響かせてみたり、速く弾いてみたり、スライドさせて弾いてみたり、思い付く
弾き方は無限にあるはずです。
もともとカリンバの音階は、特にこれである、という決まったものはありません。自分の耳に気持ちよい音階を作って演奏するのがこの楽器の良さでもあります。
即興的に鳴らして演奏するのが、最もカリンバらしい楽しみ方です。
チューニング
カリンバの雰囲気や良さに馴染んで来て、今度は音階を意識して演奏してみたい、楽譜通りに練習してみたいという場合は、西洋音楽に添った、ドレミファソラシドやその他の音階など、好みの音階にチューニングしてみましょう。
●チューニングの方法
カリンバの弦を固定させている金具に対して、弦を上下することで音程の高い低いを調律することができます。
弦の先をペンチで引っ張るようにずらして、弦の長さを決めます。
弦の長さが
長い→音程が
低くなる。
弦の長さが
短い→音程が
高くなる。
この作業には、電子チューナー(アプリ)を使ってチューニングすることが出来ます。
いろんな音階
カリンバの弦はV字型に並んでいます。中央真ん中の弦の音を一番初めにチューニングします。
例えば、ドレミファソラシドの場合、中央の弦
ドから始まって、次に左隣りが
レ、ドの右隣りが
ミ
のように、左右交互に音をチューニングしていきます。
V字型の長い弦が低音から始まって、だんだん短くなると、高音に音程が上がっていきます。
西洋音楽ドレミファソラシド
ドレミファソラシドをチューニングする場合
中央の弦
ド→左レ→右ミ→左ファ→右ソ→左ラ→右シ→左ド→右レ

ピアノの鍵盤のように順序よく、ドレミファソラシドと並んでいないので、ピアノの鍵盤に慣れているとかえって弦の位置が、覚えずらかったりしますが、この交互に並んだ音階、ドラファレドミソシレの位置を覚えてしまえば、次は楽譜通りに曲を弾くことが出来ます。
アフリカ音階
(ペンタトニック音階)
ドレミソラドをチューニングする場合
中央の弦
ラ→左ド→右レ→左ミ→右ソ→左ラ→右ド

1オクターブに5つの音が含まれる音階を
ペンタトニック音階といいます。
アフリカ音階の場合ドレミソラの5つの音で音階ができています。
(1オクターブとは音域のこと。ドレミソラのド~ラまでということ。)
東アジア、東南アジア、アフリカ、南アメリカなどの、民族音楽に多い音階です。
ドレミファソラシドではなく、4番目の
ファと7番目の
シを除いた、ドレミソラを使います
4番目と7番目の音が抜けているので
ヨナ抜き音階といって、日本の演歌や民謡に使われている音階でもあります。
沖縄音階
ドミファソシドをチューニングする場合

中央の弦
ド→左ミ→右ファ→左ソ→右シ→左ド→右ミ
沖縄音階の場合ドミファソシの5つの音で音階ができています。
ガムラン音階
ドレ♭ミ♭ソラ♭ドをチューニングする場合
インドネシアの音楽、ガムラン風な音階です。

中央の弦
ド→左レ♭→右ミ♭→左ソ→右ラ♭→左ド→右レ♭
ガムラン音階の場合ドレ♭ミ♭ソラ♭ドの5つの音で音階ができています。
カリンバの効果音やビブラート
カリンバの楽器の箱の側面に穴が開いています。
この穴を開閉することで
、ビブラートを利かすことが出来ます。

また、弦の周辺にビーズや真鍮、数珠などをつけると、弦を弾いた時に共鳴効果・サワリ音を生かすことができます。
現地アフリカの手作りカリンバは、貝殻や金属の欠片を巻き付けたりして、サワリ音の効果を作っています。
カリンバの弦の数

楽譜通りに曲を演奏したい、初級編は終わったので、弦を増やして、もう少し高度なテクニックで演奏したい人は、17音カリンバがおすすめです。
17音は
2オクターブあるので、演奏の幅も広がります。さらに
半音付きカリンバであれば、
音階は揃っていますから、自由に演奏できます。
楽譜に関係なく、オリジナルな即興で演奏したい場合は、弦の本数が少ないカリンバでもいいでしょう。雑貨屋などで売られている弦の少ないカリンバでも十分楽しめます。
カリンバの楽しみ方はたくさんあります。
アドリブでもいいし、楽譜通りでもいいし。公園で弾いてもいいし、カバンに持ち歩いてもいいし、部屋に飾ってもいいし。
カリンバを使った曲もいろいろあります。「えっこんな曲にカリンバ入っていたの?」なんて曲もあります。
楽しんでくださいね。