Masti

「結婚は人生の墓場」とは古今よく使われる言い回し。本当はどうなの？というコメディーです。出演は当時売り出し中の男優３人・女優３人にベテラン２人。つまり３組の若いカップルに大人２人が絡むという筋書きです。
思えば最近は活躍の場が減ってしまったヴィヴェーク・オヴェロイが、愛嬌たっぷりに「人生の墓場」にはまってしまった元プレイボーイを好演しています。彼のファンにはマストの作品でしょう。リテーシュ・デーシュムクとアーフターブ・シブダサーニーは以後の作品でもこんな情けない役が多いので、本作辺りが彼等の原点なのかな。男優３人に比べクローズアップされていませんが、女優陣も見逃せません。“Main Hoon Na”や“Vivah”のアムリタ・ラオ、“Khosla Ka Ghosla”のターラー・シャルマー、タミル映画で当たりを取った直後と思われるジェネリアの３人。いずれも魅力的な若い女優さん達ながら、何故かこの作品ではメーキャップやライティングも含め雑な撮り方がされていてちょっと残念。この３人の中では08年までボリウッドでの目立った活躍がないジェネリアが一番目立つ扱いになっています。あの声でまくしたてられて毎日虐められるわけで、リテーシュならずとも「こりゃ、たまらん」となります。
そしてそこに絡んでくるのが、男優３人を惑わせる大人っぽくセクシーなラーラ・ダッターと苦み走った渋面のおっかないアジャイ・デーヴガン。このベテラン２人が若手のすったもんだのコメディの引き立て役というわけです。
「家のダールは食べ飽いた。たまにゃ外でビリヤニでも.....」と浮気心を起こしてしまった夫３人はさんざん懲らしめられて、愛する妻達のもとへ。ま、ボリウッドのお約束ではありますね。結局「家庭という枠の中でどう生きるかが人の道」というようなね。確かにダールの味わいを知り尽くしてこそのインド料理だし、人生も同じなのかも。でも、でも時にはビリヤニを食べたくなるのが人情というもの。「結婚は人生の墓場」か否か？これはボリウッド永遠のテーマかも知れません。